Force times Distance

30秒コラム。設計エンジニアの道楽暮らしと、たまに愚痴

【確率的思考】食用キノコ図鑑と毒キノコ図鑑 選ぶならどっち?

Twitterでこのようなアンケートを取ってみました。

 

サバイバルをするのに、どちらか1冊を持っていけるとしたら、生き残られる確率が上がるのはどちらでしょうか?

 

①食べられる食用キノコの図鑑

②食べてはいけない毒キノコの図鑑

 

前提条件は

・場所は多数多種類のキノコが生えてる山

・毒キノコは食べたら死ぬ

・食料は山で採れたキノコのみ

 

実はこれ、別にサバイバルの知識を問うわけではなく、論理的思考力を試すクイズなんです。なので、対象はキノコじゃなくても、魚でも肉でも、毒でも薬でも構いません。

 

そして、一日アンケートを取った結果がこちらです。

 

 

回答して頂いた方々、RTで拡散して頂いた方々、ありがとうございました。

 

総数77票で、食用キノコ図鑑派40 対 毒キノコ派60

で綺麗に別れましたね。

 

では、気になる正解なんですが・・・・・・

①食べられる食用キノコの図鑑

です。

 

アンケートの正解率40%とやりがいのある結果でした。

(ちなみに僕も最初にこの問題を解いたときは不正解でした。)

 

なんでだよ!?ってなる方が多数派でしたので、さっそく、①食用キノコの図鑑が正解となる理由です。

 

ザクっと簡単に言うと、

『毒キノコ図鑑からは、食べても死なないキノコを判断することが出来ない』

からです。

 

まず、食用キノコの図鑑なら、山で見つけたキノコの中から図鑑に載ってるキノコを食べますよね。その結果、図鑑のキノコを食べ続けられれば、確実に生き延びることが出来ます

 

一方、毒キノコの図鑑です。山で見つけたキノコの中から図鑑に載ってない物を選んで食べることになるわけです。

ただ、そのあと選んだキノコに毒が無いか、食べられるかどうかは、毒キノコ図鑑からは判断出来ないんです。

 

何名かの回答者の方もコメント付きで同様の指摘をして頂けました。素晴らしいです。

 

そんなはずはないだろう、毒キノコを避ければ生き延びられるじゃないか!って思う人もいると思います。

 

では、わかりやすく極端な数字に振って例を挙げてみます。

 

多数・多様なキノコ山を

  • 全部で1000種類のキノコ
  • 食用キノコが500種類
  • 毒キノコが500種類
  • 本数は無限に植生してるキノコ山

とします。

そして、

  • 食用キノコ図鑑には100種の食べられるキノコ
  • 毒キノコ図鑑には100種の食べたら死ぬキノコ

が載っているとします。

 

こんな風に数字を極端に振ってみると、あ?って気づく人も多いのではないでしょうか。

 

まず①食用キノコ図鑑を選んだ人です。

この人達は1000種類のキノコの中から図鑑に載っている100種類のキノコだけを食べ続ければいいので、生存確率は100%になります。この場合、残りの未知の900種はひたすら無視すればいいんです。

 

では、次に②毒キノコ図鑑を選んだ人達です。

この人達は当然図鑑に載っている100種類の毒キノコは絶対食べないようにするでしょう。そして、図鑑に載っていない残りの900種のキノコの中から選んで食べるわけです。

 

つまり、食用キノコ500種類、毒キノコ400種類の中から食用キノコを運任せで選ばなければなりません

 

生存確率は

500÷(400+500)×100=55.6%

になります。

 

毒キノコ図鑑で100種類削除した後とはいえ、これは結構なリスクです。4割以上の確率で死にます。

 

まとめると、食用キノコ図鑑を選んだ人が100%生存出来る

のに対し、毒キノコ図鑑を選んだ人達の生存確率は56%に激減するんです。

 

前提としている数値によって確率の度合いは変わりますが、優劣の関係は同じで、食用キノコ図鑑を選んだ人達の方が生存確率が上がります。

 

今回のように一見似たような選択肢において迷ったときは、上記のように極端に触れ幅の大きい数字で仮定を立てて、実際に確率を計算してみるってのは非常に有効です。

 

もちろん、このようなキノコ山での生活も有り得ないですし、毒キノコ図鑑で助かるケースもあると思います。

 

じゃあ、実際のビジネスや仕事のシーンに置き換えるとどうでしょうか?

 

不確実性の度合い(1000種類のキノコ)、選択肢の数(生きる or 死ぬ)、図鑑(食用 or 毒の事例)なんて、今回のクイズの比にならないくらい複雑で困難な選択を迫られることがあるはずです。 

 

例えば、食用キノコ図鑑を過去の「成功事例集」、毒キノコ図鑑を過去の「失敗事例集」として考えてみると、成功に繋がる可能性が少しでも高いのは、食用キノコ図鑑である「成功事例集」の方になりますよね。

 

ビジネスや業務で失敗した場合、「再発防止策」を立てたり、PDCAサイクルをまわしたりと「失敗事例集」を作成するシーンはよくあると思います。

 

一方で、成功したときや、予想よりいい結果ができたとき、なぜ上手くいったのか?その成功を次回に繋げるために成功要因を振り返ることって、結果に安堵したり次工程に移行していることもあって、意外とおざなりになっていることが多いのではないでしょうか?

 

でも、本当に大切なのは上手くいった時なんです。

 

具体的な事例から抽象度を上げていき、いかに汎用性の高い成功事例集を作り、次のチャンスに生かせるか?これが大事なんだと思います。

 

イノベーションのジレンマ」など過去の成功事例に囚われることは駄目だという話は多々聞かれていますが、イノベーションを起こすための体力を養うため、日々の積み重ねの中で成功していくためには、過去の成功事例を応用化させ、より確実性の高い選択肢を選ぶことが大切なのではないでしょうか。

 

 能書きが長くて本筋から外れてしまいました。

 

今回のように数字を仮定して成功率を概算することは大きな手がかりになってきます。

 

つまり、不確実性の高いものから何かを選ばなければならないときでも、数字を無理やり当て嵌めて確率を割り出してみると、ちょっと安心できる結果が得られますよってことが伝われば嬉しいです。